旅と鉄の盲腸にっぽんの駅?な駅へのご招待(私鉄編) >4ページ

阪神電鉄本線 春日野道駅Kasuganomichi

 こちらは「変な駅」の中ではよく知れた駅です。神戸市の中心部、三宮のひとつ大阪よりの駅です。駅は地下線内にあります。

 どこが変か。もう説明はいりません。ホームが狭いんです。そのホームは幅2メートル強、非常に狭いんです。実際に降り立ってみると怖いのなんの!写真も載せてみましたが、これ合成じゃないですよ。この広さなんです。ホームで人同士がすれ違うのにもちょっと気を遣います。およよっと。落っこちないよう気を付けましょう。

 これどうしてこんなことになっているかといいますと、実はこの区間を地下化する際、この位置には駅を設置する計画ではなかったんですね。それを知った近くの企業が「それは困る」ということで交渉し、駅は出来ました。しかしもともと駅として計画していないところに駅を作ったもので、トンネルの幅を広げることができず、駅がこの幅になってしまった、というわけです。

 そういったわけで、この駅を通過する電車は構内で45km/hの速度制限を受けます。さらにこの駅で通過電車同士のすれ違いがないよう、ダイヤが作成されているとのこと。また電車が通過する際は強風が吹き抜けるため、ホームに設置された柵をつかんでいないと怖いです。ホーム上の待合室にもついたてがあり、強風が当たらないように工夫されています。電車が接近すると待合室にも放送が流れますので、ホームで電車を待たず、待合室で待つほうがいいかもしれませんね。

 しかし、危険であることと、ダイヤ上のネックになっていることから、すでにホームの拡張工事が進められています。掘削を伴う大工事のため、完成は2006(H18)年。新しい春日野道駅ができるまで、もう少しスリルある駅が続きそうです。

※2004(H16)年、相対式の新ホームの使用が始まり、現在このホームは使用されなくなりました。
春日野道駅駅名標 春日野道駅ホーム全景 春日野道駅ホームの安全柵
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畿日本鉄道大阪線 西青山駅Nishiaoyama
 大阪から名張を経て、通称「青山越え」と呼ばれる峠の頂上にある駅です。このあたりは、名張付近以西は大阪へ、東隣の東青山以東は中川方面への人の流れが多く、ちょうど輸送の隙間にあるような無人駅です。ただ、名古屋・伊勢方面へのルート上にあるので、通過旅客は非常に多いです。

 以前、この区間は大きく迂回した急勾配ルートを通っていましたが、1971(S46)年のトンネル内特急正面衝突事故を受けて抜本的なルート変更がなされ、現在の位置に移設されました。昭和50年のことです。

 こちらは駅の外観ですが、コンクリートの打ちっ放しが手伝って、ちょっと廃墟チックな雰囲気。実は駅の下に川が流れており、駅の改札階は川に沿った形で存在し、線路は川とXの字状に交差しているため、駅がX字状にあるという、かなり変わった構造の駅です。

 で、駅の周囲なんですが、やはり人家は稀な地域です。国道がすぐ横を走り、車も頻繁に通るので寂しさというものはありませんが、外に出ている人は居ません。話す相手がいないんですね、一人だと。駅自体もこのような立地からかハイキングに来る人が殆どらしく、一般利用者は少なそうです。私が訪れた時はハイキングの時期に外れていたため、降りたのは私一人でした。

 しかしながら駅には落書きなどは少なく、改札口にはハイキングマップがきれいに置かれています。無人駅なのにきちんと整備されていて、すごくきれいです。

 ホームに上がってみます。駅は相対式のシンプルなもの。結構ゆとりを持って作られています。駅のすぐ東側は関西では2番目に長い新青山トンネル(5,652m)が大きく口を開いています。この駅、停車する電車は1時間に片道あたり2本という少なさですが、特急はほぼ5〜10分間隔くらいでがんがん走っており、目の前を次々に高速で通過していきます。何かこう、やはり世の中に取り残されている気分になりますね。立地といい、電車の本数の多さといい、どうも菊水山とイメージが重なります。列車電話もこのあたりは圏外。本当に山深い所なんですね。でそんな山深い駅に、これといった用事もないのに一人佇む馬鹿な私。うひゃひゃ。

 規模の大きい菊水山、といった感じのこの駅、もし訪れる際は食事・飲み物のご用意をお忘れなく。自販機はありません。また通過電車にはくれぐれもご注意ください。
西青山駅駅名標 西青山駅駅舎 西青山駅ホームと通過する特急電車
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