旅と鉄の盲腸にっぽんの駅 >素敵な駅へのご招待(JR・3セク編)3ページ

 JR東海武豊線 亀崎駅Kamezaki
 東海道線大府と武豊を結ぶ、武豊線にある小さな駅です。

 この駅がどうして「隠れた名所」なのかといいますと、2001年現在、「JRで一番古い現役駅舎のある駅」だからなんですね。

 もともと武豊線は、当時中山道経由で計画されていた幹線の資材搬入線として、明治19年、武豊〜加納(現:岐阜)間の鉄道として開業。その後東から来た現東海道線が大府で結ばれ、支線へと転落した、という経緯のある路線なんです。この駅は明治19年の開業以来の駅舎です。

 駅舎自体は、ところどころ手を加えられながらもきれいに使われており、私が行ったときも、壁の塗り替えが行われたばかりだったようで、古さというものはあまり感じられませんでした。が、柱の支え方、継ぎ方などに当時のままの所が残っているところが多く、見どころはたくさんあります。

 駅には「JRで一番古い駅舎」などの記載は一切なく、生活に密着した駅として、ただ何も語らず、日々の業務に徹している、という印象を受けました。

 他にもこの線、2つ先の半田駅にはこれも開業当時からの跨線橋が残っていたりして、当時の面影を随所に見ることが出来ます。

 「古いもの」を探しに、かつての幹線の旅に出るのも面白いかもしれませんね。
亀崎駅駅舎 亀崎駅全景 亀崎駅ホーム
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列車がやってきた

R九州長崎本線 東園駅Higashisono
 九州の長崎本線は、喜々津を出ると2つのルートに分かれます。1つは、特急や多くの快速が走る、電化された市布回りのルート。こちらは新線です。

 そしてもう1つは、大村湾に沿って走る非電化の長与回りの旧線ルート。この先も今まで同様、本線らしい堂々とした電化区間が続き、新線はトンネルで一気に長崎市内を目指します。その新線には乗らず、ちょっと寄り道して旧線ルートに入ります。

 列車は今までの立派な線路が嘘のような、ローカルムード満点の風景の中を走ります。湖のように静かな大村湾沿いに出て走ることしばし、旧線に入って初めて到着する駅がこの駅です。

 この駅も路線同様、大村湾に沿ったところにあります。以前はホームから湾を眺めることができたようですが、今は荒天時に波から駅を守るためか、少し長崎よりの大きな岩陰に移転されています。しかしながらホーム先端からは、今も波静かな大村湾を眺めることができます。

 駅はホームが1本あるきりの簡素な構造。待合所以外は何もない、典型的な無人駅です。駅から少し離れて集落があるだけで、眼前には大村湾が大きく広がっています。

 乗ってきた列車が走り去ると、静寂があたりを包みます。本当に静かなところです。

 ホームの先端まで歩いて大村湾を眺めます。木々の間からは、湾をきれいにトレースして長崎方向へ伸びる線路が見えます。しばらくすると、湾の向こうからこちらにやってくる諫早行きが見えました。

 夏の夕暮れ、海を見ながら何もせず、ぼんやり佇んでみたくなる、そんな素敵な駅でした。
東園駅全景
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