旅と鉄の盲腸にっぽんの駅 >素敵な駅へのご招待(JR・3セク編)2ページ

 JR東日本信越本線 青海川駅Omigawa
 新潟県にある無人駅です。存在をご存知の方も多いと思います。

 この駅は、日本一海に近い駅。ホームから見下ろせばすぐ下に日本海が広がります。待合室で電車を待っている時も、聞こえてくる波音がまるで波打ち際に立っているかのような気分にさせます。それくらい海に近い。

 駅周辺には目立った観光地もなく、高速道路と、谷間に身を寄せ合うように小さな集落があるだけです。その分駅が際立って目に映ります。

 ホームから眺める日本海は、四季折々、さまざまな顔を見せてくれます。夏はエメラルドに、冬は鉛色に。一度行くと、季節を変えて訪れてみたくなります。

 この駅が一番美しく見えるのはやはり夕暮れでしょうか。私も、夕刻の電車に乗って、日本海に沈み行く夕陽を眺めてきました。大阪から札幌へ走る下り寝台特急「トワイライトエクスプレス」も、春から秋にかけて、このあたりで文字どおりトワイライトタイムを迎えます。

 以前にドラマの舞台になったということもあってか、駅にはノートが備え付けられ書き込みも多く、人気があります。

 まだ行ったことのない方は、是非訪れてみて下さい。何とも言えない、いい雰囲気がそこにあります。一人で行っても、大事な人と行っても得るものがある、そんな駅です。

青海川駅全景 青海川駅ホーム 駅名標と海
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JR東日本東北本線 青森駅Aomori
 稚内と並ぶ旅情溢れる駅です。列車を使った旅行が好きな方は、この駅のほうが素敵に思うかもしれません。「ひとむかし前の終着駅」の面影を色濃く残す駅です。

 今は青函トンネルがありますので、連絡船への乗り換えという「渡道の儀式」はなくなり、その分終着駅の印象は薄らいでしまいました。

 しかしここを始終着とする列車が多く、また駅は東北・奥羽・津軽(海峡)線の3線を先端で束ねた形で位置するため、直通する列車はスイッチバック運転になります。そのため列車の停車時間が長く、駅で立っていても頻繁に列車の出入りがあり、見ていて飽きません。特に北海道方面への列車には、連絡船なき後も独特のムードが残っています。

 また、ホームごとに並ぶ駅弁のワゴンや、寝台列車が2本並ぶ光景などに、この駅の風格が見て取れます。地方の大駅らしく、常にどれかの列車が改札中で人の流れは絶えず、活気があります。

 かと思えば、行き止まりのホームの向こうには特有の寂寥感が漂っています。1本だけ延びる引き込み線がぷっつり切れたその先に広がる青森湾が、「北へ来た」という旅情を強く誘います。

 一度ホームに降り立ってみて下さい。稚内とはまた違った、独特の風情と空気があなたを迎えてくれるはずです。
青森駅駅舎 寝台列車と駅弁の立ち売り 青森ベイブリッジから
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JR西日本山陽本線 尾道駅Onomichi
 ここの場合、駅が好きというよりも「町が好き」になるんでしょうか。瀬戸内海、穏やかな尾道水道に面した中規模の駅です。

 町は坂と独特の町並みで有名な所です。数多くの映画のロケ地にもなりました。情緒のある町で、女性の観光客が非常に多い。

 そんな町の素顔を見てみたくてこの駅に降り立ちました。

 ほんとうに坂が多い町です。その坂を細い路地ともつかぬ道が縦横に走り、これはもう迷路のようです。その路地のあちこちに猫を見かけます。新鮮な魚介が多いので猫だって暮らしやすいんでしょうね。

 昔から変わらぬ町並みとは対照的に、駅前はきれいに整備され、観光の玄関口という印象を強く受けます。しかしながら駅自体は昔からの「街道駅」の趣をとどめる、どこか懐かしいものです。

 この駅に下り列車が進入するとき、ホームには童謡「ふるさと」が流れます。今は何となく聞いている、ホームに溢れる高校生達も、いずれこの町を離れ、そして帰ってくるときには、このメロディーを懐かしく思うんでしょうか。

 瀬戸内の、「ふるさと」に迎えられるふるさとの駅。活気ある明るい駅です。
尾道駅駅舎 尾道駅ホーム
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