旅と鉄の盲腸にっぽんの駅?な駅へのご招待(私鉄編) >2ページ

名古屋鉄道岐阜市内線 岐阜駅前電停Gifuekimae
 名古屋とか岐阜は好きでよくうろうろするのですが、この電停から電車が出て行くところは見たことありません。

 以前はよく名鉄で岐阜へ入ったので、新岐阜駅前から岐阜市内線に乗っていましたが、「岐阜駅前には電車があまり来ないらしい」ということは知っていました。

  駅へは地下道から上がります。岐阜市内線らしくない構造です。
上に上がると立派なホームまであります(下写真)。ますます岐阜市内線らしくない(この線の電停は、たいてい安全地帯がなく、どこから乗るのかもよくわからない所が多い。)。

 で、待ってみます。本来なら電車が来る時間帯なんですが・・・。

 1本待ったけど来ず。2本待ったけど来ず・・・。

 原因は、両脇の道路にありました。行ったのは夕方だったんですが、かなり混み始めてたんですね。そして、ポールの時刻表下にはこんな案内がありました。
『交通渋滞等により、電車が新岐阜駅で折り返し運転することがありますのでご了承下さい。お急ぎの方は新岐阜駅前までお越し下さい。線路沿い徒歩5分』ということだそうで。また、10時から16時の間は、道路事情にかかわらず電車は全て新岐阜駅前で折り返します。この駅に電車は来ません。

 県庁所在地の駅前にホームのある立派な電停がありながら、電車は来ない。なーんか、すごくもったいない気がするのは、私だけでしょうか。

(追記)この停留所は2003年の12月から続く周辺道路の整備のため、運行休止になり、運行が再開されることは無いまま、2005年3月31日廃線を迎えました。(2005.3加筆)
新岐阜駅前電停=上がり口= 新岐阜駅前電停全景
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南海電気鉄道高野線紀伊神谷駅Kii-kamiya
 
水軒駅なき後の「ポスト水軒」はこちら。次候補がすぐに見つかるというのも、この会社の奥深い所でありまして。場所は水軒と同じ和歌山県。ただこちらは高野山のふもと、終点・極楽橋の1つ手前にあります。50‰の急勾配に挟まれた非常に山深いところにある駅です。どんな駅なんでしょうか。

◆半径200mに人家なし。
 はい、いきなりです。駅を出ると外はこんな感じ。林道です。以前から、この駅から見える範囲に人家がない、ということは知っていましたが、林道を登ることおよそ200m、数軒の集落が見えてきます。この間、照明灯などは数えるほどしかありません。昼はいいですが、夜はどんなことになるのやら・・・。

◆駅員は居る
 駅員配置駅なんです、実は。かなりびっくりしました。窓口があって、切符を手売りで売っているようです(券売機はありません。)。駅員さんは1人配置。

 この近辺の駅はどれもここと似たようなロケーションですが、全部に駅員が配置されています。これは、この付近が土砂災害の多発地帯で、加えて雷害も多く、雨が続いた後はひとときも目を離せない状況が続くからなんでしょうね。非常時に備えて駅員が配置されている模様です。

◆難波から約90分。でも人の気配なし。
 でこの光景。この線が約90分で大阪市中心部につながっている、というのが信じがたい事実です。駅員さんいわく、「通学を中心にたまに定期券利用者がいる」とのことで、そんな話をしていると、到着した下り電車から1人の高校生(←たまの定期券利用者)が降りてきて、林の中に消えていきました。集落の方なんでしょうか。

 電車が出てしまうと、恐ろしいほど静か。・・・そもそもこの駅、近くに人家がないのにどうしてここにあるんでしょうか。謎。

 上り電車の時間が近づくと、駅の脇の舗装もされていない獣道のような道へ、林の中からスーツ姿の男性が突然登場。獣道にスーツ・・・。あまり見ない取り合わせです。というか、この人この格好でどこからやってきたんでしょうか。晴れの日はいいですが、雨だと大変です。

◆電車の本数は多い。
 さすが難波につながっている路線だけあって、電車の本数は多いです。1日約60本。20〜30分に1本、ロングシートの電車がやってきます。単線路線の交換可能駅なので、列車交換がある場合は数分停まりますが、交換がないときは10秒弱しかドアが開いていません。「誰も降りないだろう」ということなんでしょうけれども。いや確かにほとんど降りないんですけれども、じゃあどうしてここに駅があるんでしょう。謎。

◆謎の下足箱。
 駅出口の横に、何故か並ぶ30人分の下足箱。名札が貼ってあって、使われています。利用客がここで上履きに履き替えて電車に乗る・・・というのはウソで、保線の方のもののようです。半分以上は保線のためにあるような駅なのかもしれません。

◆なのに自動改札。
 自動改札なんですよ、この駅。しかも「スルッとKANSAI」対応。ここから京阪神へ、1枚のカードで行けます。ほとんど人は降りないのに駅員が居て、自動改札。駅設備的にはごく普通の、どこにでもある駅ですが、駅を出れば別世界。う〜ん、いろんな意味ですごい会社だ、南海電鉄。

 この駅は是非降り立ってみてください。オススメは駅員さんすら怖がる夜。橋本まで帰ってくると、人が10人以上いるのを見て、ほっとしたのでした。
紀伊神谷駅駅名標 紀伊神谷駅駅舎 紀伊神谷駅ホーム紀伊神谷駅改札
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崎電気軌道本線昭和町通電停Showamachidori
 はいこちらは西の端、路面電車が非常に元気な長崎にある電車停留所です。ここも一風変わっています。

 場所は1号系統などの終点・赤迫から2つ目にあります。で、何が変わってるかといいますと、ここは赤迫行き、つまり上り電車しか止まらないんです。長崎駅前のほうに行く便(下り)は全便通過になります。路線図にも「赤迫行きのみ停車」の注意書きがありまして。

 これどうしてかといいますと。答えは単純明快、長崎駅前方面行きのほうには電停がないんです。複々線で、一部の線路にしかホームがないため通過になる、というような話はよく聞きますが、複線で一方の方向にしか電車に乗れない、というのは初めて聞きました。

 ちなみに昭和町通、両隣の電停がかなり近いので、実際に利用するぶんにはさして不便はないようです。電停同士が近いので、廃止しちゃったんでしょうか。ならどうして片方だけ残るんでしょ。謎。

 ちなみに私、長崎へは約10年ぶりに訪れたんですが、以前来たときはここの印象がないんですね。こんな変わった所なら絶対降りているはずと思い、当時の路線図を見てみますとこの電停はあるものの注意書きがありません。つまり、少なくとも10年ほど前までは上下とも停留所が存在したようです。

 さらに手元の資料を見てみますと、この電停は1998(平成10)年5月から約2ヶ月間、休止になっています。この後、下り方は廃止になったのかもしれませんね。上り電停のほうも時刻表すら入っておらず(下写真の駅名標、右下の枠にほんとは入っているはず)、ちょっとしいたげられているんでしょうか。

 真の事情は今のところ闇の中(というほどの大げさなものではなく。)ですが、この電停、今日も長崎駅前に行く電車はごう然と通過していきます。ああ昭和町通り。
昭和町通電停駅名標 昭和町通電停全景 電停と電車
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