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駅木・駅花(エキボク・エキバナ)への旅


 沿線に咲く四季折々の花。車窓からも眺められますが、時間があれば列車を降りて、心ゆくまで眺めてみませんか。ここでは、そんな車窓・駅で花見ができる駅のご紹介です。なお、花の見ごろはあくまで目安で、その年の気候により大きく異なります。確認のうえお出かけください。


 長野電鉄河東線 都住駅Tsusumi

 長野駅から長野電鉄線に乗ると、中継駅・須坂を過ぎた頃から沿線には果樹畑が目立つようになります。リンゴ、サクランボ、ナシ、アンズ…JR信越本線の豊野付近同様、『果樹王国・長野県』といった光景を目の当たりにすることができます。都住駅は、須坂の次の特急停車駅・小布施のひとつ湯田中寄りの駅です。

 駅は小さな待合室に自動券売機とベンチがあるだけの無人駅。駅周辺にある民家の中の1軒のような、非常にこじんまりした佇まいの無人駅です。この駅のホームに隣接して、リンゴ畑があります。

 果樹の花は、全体的に地味でみな似ています。このリンゴの花もやはりご多分に漏れず、花の中では地味な部類の白い可憐な花を咲かせます。桜のように派手さはありませんが、清楚で白い小さな花の集まりは、見ていて清々しい気分にさせてくれます。花は控えめに咲き、果実で人を喜ばせてくれる。派手に咲く花とは違った、その控えめな美しさというのもまた一見の価値有り、なのかもしれません。

 そして秋になれば畑にたわわに実るナシの実…だったらごめんなさい(笑)。本当に似てるんです。枝振りからしてリンゴに間違いないとは思いますが、春と秋、違った光景が眺められるのも、この沿線の魅力だと思います。

 温泉・果物・そして花…沿線に魅力のある路線って、本当にいいですね。

都住駅駅舎 駅名標とリンゴ畑

◆例年の見ごろ:5月上旬〜5月中旬

◆撮って出し
 都住駅を含む、周辺地域の画像はこちらからどうぞ。

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 R西日本関西本線 笠置駅Kasagi

 大阪から大和路快速で60分。開発の波がやってきつつある加茂駅に着きます。電車はここまで。カードが使える区間もここまで。これより先は電車に代わって短い編成のディーゼルカーがのんびりと行き来する区間になります。笠置駅は、関西本線がそんなローカル区間に入って最初にある駅です。

 桜の時期にこの駅を訪れたことがある方なら、この駅の様子はご存知の事かと思いますが、駅と駅周辺には多数の桜が植えられ、近くにある笠置山自然公園のものは3,000本とも言われています。付近一帯は『日本のさくら名所百選』にも選ばれており、その光景は、桜を期待して行く人にとってはどれも期待を裏切らない光景ばかりです。

 正直な話、私はここに伺うまで、ここはあまり知らず、でも名前はよく知られていることから、「割合いとすれた桜の名所」なのかなと思っていました。人混みで混雑、観光客目当ての屋台や出店、そして花見客が置いて帰るゴミの山…。典型的な花見の地にありがちな風景を、漠然とながら想像していました。

 しかし実際行ってみて驚くことには、そのような光景とはほぼ無縁だったということ。もともと人口が少なく、交通もやや不便なところにある、というのが影響しているのかもしれません。

 いわゆる「アーバンネットワーク」の終端駅・加茂からひと駅。列車本数も極端に違うし、よって便利さも桁違い。地元の方は関西本線の早期電化を願っています。しかしながら、よそ者の勝手な意見ではありますが、そのような今の環境が、笠置駅の魅力と、この静かに花見をすることができる環境を作る要因のひとつになっているのではないか、そのように思います。

 何年、何十年か先、ひょっとするとこの駅は電車の停まる駅になっているかもしれません。それは良いことだと思います。でもこの駅と周辺は、変わらず静かな環境であってほしい、そう願うのは私だけでしょうか。この駅からの帰りがけ嵐山に寄り、両者の違いに改めて驚いたからでしょうか、そういう思いを強く持ちました。

笠置駅駅舎と桜 笠置駅ホームの桜


◆例年の見ごろ:4月上旬〜4月中旬

◆撮って出し
 笠置駅の画像はこちらからどうぞ。

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