旅と鉄の盲腸旅の小ネタ。国民的種別順位決定戦 > ややこしい種別、ホントはどっちが速いの? > その2

ややこしい種別、ホントはどっちが速いの?


 まだ続きます。前ページからから引き続き・・・

 その4.しかしながら・・・下剋上。
 ひととおりの整理が終わった!と思いきや、少数派ながら恐ろしい例外が出てまいりました。下の種別が上の種別の停まっている駅に止まらないという、下克上です(通勤系統は除く。)。ちょっと解説していきましょうか。

(下剋上その1)阪神区間特急>特急and直通特急
 表を見ていただけると分かるんですが、「区間○○」は「本家○○」よりも格下なのが通常です。これはJRでも同様ですね。しかし阪神。区間特急のほうが上なんですね。どうして?と思い路線図をよく見てみますと・・・。

 停車駅に違いがありました。トータル停車駅こそ区間特急の方が少なく、特急が停まる御影・西宮などは通過するのですが、他方終日特急が停まらない青木と、区間特急が走る時間帯は特急が停まらない甲子園に停まるんですね。

 ということで・・・・区間特急は、特急への利用者集中を避けるために設けられた種別で、ここでの「区間」は一般的な「区間」とは意味を異にする、と言えるのではないでしょうか。つまり、種別に困ったため「区間」を付けたのではないかと。いずれにしても、全区間特急運転しているので、「区間・・・」ではないとは思うのですが、ここでいう「区間」とは「急行運転する区間」ということではなく、この電車が三宮始発であり、阪神本線の始発駅である元町発ではないので、「全区間ではなく、一部区間を走る特急」という意味かもしれません。

(下剋上その2)阪急神戸線準急急行
 もうかなり日本語的におかしくなってまいりました。ただこれもちょっと特異な例でして。停車駅を挙げますと、
   急行=梅田・十三・塚口と西宮北口以遠の神戸線内各駅に停車。
   準急=梅田・十三・塚口と西宮北口の1こ先の駅、門戸厄神から今津線内各駅に停車。
 なんです。特急以下全部の種別が停まる西宮北口に、この準急は停まらないんです。急行との差はこれだけ。で、どうして西宮北口に停まらないかといいますと・・・。

 準急は全てが今津線直通。西宮北口で連絡線を通って今津線と神戸線を行き来するんですが、ここにホームがないんです。だから停まらないというより、停まりたいけど停まれないという特殊な事情が存在するんですね。

 ・・・ここでは種別の優劣を原則「停車駅数の多寡」で決めましたので、このように逆転しましたが、実際は、今津線に急行は走らず、神戸線西宮北口以西にも準急は走らないことから、両者はほぼ同等で、行き先別の種別と言えると考えます。しかしそれでも日本語的にはおかしいんですけれどもね。

で、国民的種別の順位。
 なんですが、関東に独自の「快速」、関西に独自の「区間急行」、この2種を一緒に採用している会社がないんですね。ですので、上の比較を参照して両方とも「急行」の次位につけることにします。通勤種別については、一応本家種別よりも下位であると書きましたが、同種別でも会社によって順位が違うことが多々あり、一概に比較はできないのでここでは勝手ながら外させていただきます。

 また、結論についても、あくまで「数的に多い」ものを類型化・記述したものであり、必ずしも全てがこれに一致するわけではないことを付け加えます。

結論:国民的種別の順位は、

1.関東では、
快速特急特急快速急行急行快速準急普通。

2.関西では、
快速特急特急快速急行急行区間急行準急→普通。
3.そして「快速」と「通勤○○」には要注意。


あとがき
 この調査、開いてみるとかなりややこしかったです。正直、こんなにたくさんの種別が使われているとは思いもよりませんでした。また、その会社オリジナルの種別も、関西を中心に結構存在することが分かりました。サービス向上には停車パターンの違う種別の設定は不可欠、しかし増えすぎると煩雑になる・・・。難しいところですね。いずれにしても、ユーザー側から言わせていただくのなら、「種別が多いのはいいんですけど、統一してほしいな」ということ。同じ会社でも路線で種別の優劣が入れ替わると困ってしまいますね。

 全体的な種別(停車パターン)の分け方は、大きく2つに分けられました。1つは、上位種別が停車する駅は下位にある種別も必ず停車するパターン。そしてもうひとつは、上位優等種別が停車する駅でも下位種別が停車するとは限らないパターン。後者は関東の通勤種別を中心に多くみられました。関西では殆どが前者のパターンを採用し、後者は「区間特急」に代表されるとおり、阪神くらいでした。

 そもそも後者のパターンの狙いというのは、上にも書きましたが乗車列車の振り分けにあるんでしょうね。特定の優等種別に混雑が集中するのを避けるためにわざと停めなかったり、停めたりする。関東の会社にこういった運転形態を採っている会社が多いということは、やはり関東はそれだけ混雑が激しいんですね。

 しかし、東武鉄道と西武鉄道。種別が多いですね。趣味的には楽しい反面、実際には戸惑うことのほうが多いのでは?と考える私はやはり田舎者なんでしょうか。



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