旅と鉄の盲腸旅の小ネタ。国民的種別順位決定戦 > ややこしい種別、ホントはどっちが速いの? > その2

ややこしい種別、ホントはどっちが速いの?


 これだけ種別が多いと、ワケ分かんなくなってきます。「これとこれ、ホントはどっちが速いねん!」と思う種別も当然出てきますね。

 ここでは、名前では一見どちらが速いのか見当がつきにくい種別どうしを比較してみましょう。

その1.準急区間急行
採用会社−近鉄・南海・京阪

 おもに関西で問題になります。「区間急行」という種別自体は首都圏には今のところ存在しないようです。では比較していきましょうか。

それぞれの種別が持つ「日本語的な意味」ではどちらが速いのか
〜名前から受けるイメージ〜

 準急は「準急行=急行に準ずる」、区間急行は「一定、または一部区間が急行=含意的に残り区間は各駅停車」ということですね。ということは、準急は基本は急行ながら急行が停まらない準主要駅にも停車する、一方区間急行は一部区間は各駅停車で運転し、一部の区間は急行と同じ運転形態になるのでは、ということで、私は、日本語的には右図のような印象を受けます。

それぞれの種別が持つ「英語的な意味」ではどちらが速いのか
〜名前から受けるイメージその2〜
 つづいて英語(英訳)で見てみましょう。準急はおもに「Semi Express」、区間急行はおもに「Sub Express」と訳されています。京阪は準急が「Sub Express」、区間急行が「Semi Express」と他社とは逆になっています。「Semi」は「半分、いくぶん」、「Sub」は「代用、副、補佐する」という意味合いがありますね。ということは、図示すると右のような感じでしょうか。

で、実際はどうなのか〜実際の種別の優劣〜

 実際は、こうなっています。多数決により図示したのは近鉄と南海です。京阪は区間急行が準急の下に来ますが、いずれの会社も「全区間急行運転式」ではなく「以遠各駅停車式」で運行しています。種別表示の色分けも近鉄は急行と同じ赤、南海でも現在は緑ですが、近年まで赤を使っていたところからみても、実際には「区間急行」という種別は急行の補佐的種別として使われているようです。

 また、近鉄の区間急行ですが、英訳は「Sub. Express」だそうで、正確には「Suburvan Express」なんだそうです。和訳すると、「近郊急行」。ということは、関西の区間急行は、厳格には位置づけが各社少しずつ違うんですね。本当にややこしい・・。(2001.5加筆)

ということで、結論。
準急区間急行
 ただし個人的には、準急(英訳はSub Express)>区間急行(Semi Express)という、京阪方式のほうが言葉的には正しいような気がしますが、いかがでしょうか。

その2.急行快速

採用会社−西武(池袋線)・京王(京王線)・京成・相鉄・神鉄

 これもややこしいですが、その1よりは明快なような気がしますね。運転の実状から行ってみましょう。
 急行快速のスタイルで運転している会社
     西武(池袋線)・京王(京王線)・相鉄
 急行快速のスタイルで運転している会社
     東武(東武本線)・京成・神鉄
 ・・・こうやってみると、種別に「快速」を使用している会社は、関東の私鉄が圧倒的なことがわかります。というより、神鉄以外はみな関東ですね。蛇足ながら、2001年に「快速」の種別自体が廃止された阪急京都線は、関東の私鉄と同じ急行>快速を採用していました。種別に限っては、阪急は非常に関東的な会社です。

 この形態、以前は東武本線系統が急行>快速のスタイルで運行していたため、4対2になっていたのですが、2006年3月から東武本線が逆転した急行<快速のスタイルで運転を開始したため、現在では3対3の同数となってしまいました。

◆ということで、こちらは結論
どちらともいえない。

◆おまけ 各会社に個別の事情
神戸電鉄の場合
 えーこちら、快速上位の会社ですが、ちょっと変則的です。英文字表記を見てみると・・・。「Rapid Express」。そうなんです。実は神鉄の快速は実際「快速急行」なんですね。だから「快速」とはいえ、実際は急行より上位・・・。納得。

東武鉄道の場合
 急行>快速から急行<快速へと乗り換えた東武鉄道。何でいきなり逆転してしまうんでしょうね。実はこの会社、改定前と改定後の急行、意味合いが大きく違うのです。改定前の急行は、特急と同じく乗車券のほかに料金券が必要な優等種別でした。つまりJRのようなスタイルで運転されている列車だったんですね。ところがこの急行は特急と統合されて消え、「急行」という種別は半蔵門線直通系統の料金不要な種別として誕生しました。つまり改定後の急行は一般的な私鉄急行と同じ位置づけ。通勤電車ですね。このように、実際はまったく色合いの違う列車なのですが、たまたま名前が同じなので結果として逆転したように見えてしまうという・・・。それにしても、改正前後は乗り慣れるまで大変だろうと思います。

その3.本家○○通勤○○

採用会社−東武(東上線)・京成・西武・京王・阪急

 これは例えば「急行」と「通勤急行」という関係ですね。これはどちらが速いのでしょうか。表を一見しただけでもかなりバラバラな気が・・・。ま、見てみましょうか・・・。
「本家」種別が「通勤」種別より上位の会社
東武(東上線)・京成線・西武池袋線の急行・東急東横線・阪急神戸線

「通勤」種別が「本家」種別より上位の会社
西武池袋線の通勤準急西武新宿線・京王京王線・京阪電鉄・阪急京都線・宝塚線

 あっちゃー、やはりバラバラでしたね。特に通勤種別のほうが上位に来ている会社のうち、阪急京都線の通勤特急の場合は特急との間に1種別が入っています。これは本家の亜系列というより、ラッシュ時用のまったくの別系統、と考えたほうがよさそうです。

 で、どっちが上か結論を出すわけですが、つい最近まで「急行と快速」と同様、同数だったのですが、2008年より通勤種別を採用した京阪が入りましたので、僅差で
通勤○○>本家○○
ということになりました。

 しかし、「急行と快速」は仕方ないとしても、同じ会社でも路線が違えば格付けがひっくり返ってしまう、というのはいかがなものなのでしょうか。

まだ続いたりします。「しかしながら・・・下剋上。」とまとめはこちら


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