旅と鉄の盲腸 > 旅の小ネタ。 > 「内回り」「外回り」、どっちが速い? >3ページ
■ほんとはどっちがはやいのかな。
と、いうことで、このままではらちがいかん!と思った私は、「いっそのこと、各駅相互の到達速度を見てみよう」という考えに落ち着きました。で、また出てきました、一覧表です。環状線内各駅相互に、どちらが速いかを記載したものです。ざーっと行ってみましょう。
○どっちが速い?一覧表
みかた:表の横軸の駅から、縦軸の駅に行くのはどちらが速いかを示した図です。それぞれの交わるところが結果です。結果については、同時発車をする列車に乗った場合の標準到達時分であり、時間帯や列車によってかなりの差があることをお含みおきください。なお、途中乗りかえる必要のある電車(天王寺止めなど)、快速電車は除外しています。
表中、「内」印は内回りが、「外」印は外回りが速く、「同」はほぼ同時刻到着であることを表します。
それ、どんっと!
発駅→ 着 駅 ↓ |
大 阪 か ら |
天 満 か ら |
桜 ノ 宮 か ら |
京 橋 か ら |
大 阪 城 公 園 か ら |
森 ノ 宮 か ら |
玉 造 か ら |
鶴 橋 か ら |
桃 谷 か ら |
寺 田 町 か ら |
天 王 寺 か ら |
新 今 宮 か ら |
今 宮 か ら |
芦 原 橋 か ら |
大 正 か ら |
弁 天 町 か ら |
西 九 条 か ら |
野 田 か ら |
福 島 か ら |
大阪まで | - | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 |
天満まで | 外 | - | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 |
桜ノ宮まで | 外 | 外 | - | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 |
京橋まで | 外 | 外 | 外 | - | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 |
大阪城公園まで | 外 | 外 | 外 | 外 | - | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 外 | 外 | 外 | 外 |
森ノ宮まで | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | - | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 外 | 外 | 外 | 外 |
玉造まで | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | - | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 外 | 外 | 外 |
鶴橋まで | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | - | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 外 | 外 |
桃谷まで | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | - | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 外 |
寺田町まで | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | - | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 外 |
天王寺まで | 内 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | - | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 |
新今宮まで | 内 | 内 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | - | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 |
今宮まで | 内 | 内 | 内 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | - | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 |
芦原橋まで | 内 | 内 | 内 | 同 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | - | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 |
大正まで | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | - | 内 | 内 | 内 | 内 |
弁天町まで | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 同 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | - | 内 | 内 | 内 |
西九条まで | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | - | 内 | 内 |
野田まで | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 同 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | - | 内 |
福島まで | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 内 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | 外 | - |
・・・はい!ということで、こんな結果になりました。きれいな模様ですね。これ遠くから眺めると、ある模様に・・・見えない見えない(笑)。
最初に総合計を挙げてみますと、外回りの方が速い区間、全部で171区間。一方内回りの方が速い区間、これは168区間。同着が3区間ということで、全区間で見た場合、内外回りほぼ同じ、という結論になりました。
ただしですね。これ外回りが速い区間と内回りが速い区間の境界線あたり、電車によっては大阪や天王寺駅での停車時間の差など、その電車固有の事情により速さが逆転する場合がありますので、充分お含みおきください。
・・・ということで、ここからも明確な結論は見いだせず・・・。
平日内回り | 平日外回り | 休日内回り | 休日外回り | |
0分停車 | 1本 | 0本 | 0本 | 1本 |
1分停車 | 84本 | 80本 | 53本 | 69本 |
2分停車 | 41本 | 47本 | 35本 | 36本 |
3分停車 | 21本 | 23本 | 24本 | 16本 |
4分停車 | 6本 | 4本 | 9本 | 6本 |
5分停車 | 5本 | 2本 | 2本 | 1本 |
6分停車 | 0本 | 0本 | 1本 | 0本 |
それでこの、上の表を調べるのに時刻表をぱらぱらしていて気づいたんですが、大阪駅と天王寺駅での停車時間に結構ばらつきがあるんですね。左の表をご覧ください。これは天王寺駅の例です。
こういった結果になりました。一方、大阪駅でも同様に、1分〜3分停車があります。
そこで、3番勝負、4番勝負、5番勝負で、大阪、天王寺の各駅での停車時間を見てみましょう。
こちらがその表です。
内回り電車の各駅での停車時分 | 外回り電車の各駅での停車時分 | |
3番勝負 | 大阪1分 | 天王寺1分、新今宮1分 |
4番勝負 | 天王寺2分 | |
5番勝負 | 森ノ宮1分、大阪1分 | 天王寺2分、新今宮3分 |
このような結果になります。勝負別に説明をしますと、弁天町で同着であったものの、距離が長いため、内回りの方が速い、とした3番勝負。こちらを停車時分で見てみますと、距離の少ない外回りで1分余分に停車しており、実態はやはり同速度のようです。
4番勝負では、内回りの負けが明らかでしたが、こちらも天王寺で2分余分に停車していたんですね。距離の差を合わせ考えると、やはりこれも同速度という見方が正しいようです。
5番勝負については、新今宮の3分、これは通過待ちなんですね。これを含めて計測すると、あまりに外回りが不利になりますので、5番勝負はノーゲームにしてあげましょう(以後、同区間で要調査?)。
・・・ということで、結果に差が出たのは、主に停車時間の差だったんですね。ちなみに、大阪環状線の各駅での標準停車時分は、20秒です。
こうやってみると、大阪駅もそうですが、それよりも、むしろ天王寺駅での停車時分のほうが、全体への影響が大きいようですね。
・・・つまり、速さ比べをするとき、それが主に大阪駅と天王寺駅を挟んだ区間である場合は、これらの駅での停車時間によって目的駅への到達時分に差が出てくる、ということになりますね(ちょっと強引。)。
ということは、大阪←→天王寺の区間以外では、一概にどっちが速い、とは言えない、ということになります。
ということで結論。
1.大阪環状線、内回りと外回りの所要時間はほぼ同じ。ただし、停車時間(特に天王寺での停車時間)に左右されるため、一概には言い切れない。
2.しかしながら、大阪〜天王寺間の場合は、西九条経由の方が速い。これは差の大きい大阪・天王寺駅での停車時間を考慮しないですむため、ほぼすべての電車に共通することである。
◆くだらないあとがき
今回は大阪環状線で遊んでみました。日頃乗り慣れた環状線。漫然と乗っていましたが、内回りが下り電車であるとか、電車はぐるぐる回ってるけれども、運転上は天王寺発天王寺行きがつながった形だったとか、新しい発見が多かったです。
小ネタ的には「どっちが速い?」と説いて「どっちも同じ、ただし例外もあるよ」という答え、ちょっと中途半端感が残らないわけではありませんが、「距離に関係なく、駅基準でどちらが速いか」「距離・停車時間を考慮した上でどちらが速いか」という2つの考え方をミックスしたので、致し方ないかな、と思っております。「すぐ答えが出るだろう」という最初の見当より、はるかに内容が濃かったような気がします。
お題を頂きました環状運転さんには感謝いたします。有り難うございました。