旅の小ネタへ戻る  前のページへ 次のページへ TOPへ

ちょっとだけ考察

 はい、ということで一応の結果です。

その1.人気の色は?

■赤■青

 この2色が圧倒的に多いんです。各社ともどちらかの色は必ず採用していますね。さらに見ていきますと、赤を使用した路線はその会社の最主要路線、青はそれに次ぐ主要路線であることが多いですね。重要路線には一番目立つ赤を配し、次に重要な路線を赤と対応する色である青を配する、このパターンが多く見られました。

地下鉄と■黄色の関係

 次に黄色ですが、地下鉄にこの色を使用している会社が多かったんです。どうしてでしょうか。

 黄色は赤よりも目立つ色。主に警戒の意味で使われていますね。地下鉄は地下を走ります。そして地下は暗い。そこで安全のために電車を目立たせる必要がありますね。東京の銀座線、名古屋の「黄電」と呼ばれた東山線、名城線の電車などが黄色に塗られていたのがこれに当たると思います。また創業当時の地下鉄御堂筋線の車両も黄色だったといいます。車両を黄色にして目立たせ、案内上車両の色とラインカラーが一致しているほうが混乱しないことから、ラインカラーも黄色にしたと。こういった経緯があるのではないでしょうか。

 ということで、地下鉄では黄色は比較的多く使われている色、といえるのではないでしょうか。

 いっぽうの地上各線。黄色を使う会社はありますが、路線が多く、区分けとして使わなければならない会社・支社を除くと使われているところはわずかでした。地上線においては、黄色はラインカラーよりも「出口」などの施設案内に使われることが多いですね。やはり注意を引かせる表示に使われています。

■緑■オレンジ

 こちらも赤、青に続いて多かった色です。一方は落ち着いたイメージ、一方は快活なイメージ、暖かなイメージを持つ色です。そいういったこともあってか、路線数が少ない会社でもこの色を選定している会社、結構ありました。私がよく利用する南海もそうですね。

 このあと、ピンク・紫などが続きますが、路線数が多くなればなるほど、どの色を使うか、各社とも苦労されているようです。

その2.ラインカラーの形態

 各社ともいろいろな工夫をして使っているラインカラー。その形態について見てみました。

(1)コーポレートカラーをラインカラーとして使う。
 はい、これが1つ目の形態ですね。この形態を採っている会社の場合、路線がひとつ、または本線や主要路線がひとつしかないことがいえますね。路線がシンプルだから、色で区分けするほど迷わない。そういうパターンですね。でもこれって、「ラインカラー」っていうのかな。

(2)自社内他路線と区別するためのラインカラー。
 こちらはラインカラー本来の使い方です。この中にもさらに2つの形があり、[1]路線ごとに色を付けるもの、[2]運転系統・行き先や方面ごとに色を付けるもの、のふたつが見られます。いずれも広義では、乗る路線がどこへ行くかを明確にし、誤乗車を防ぐのが主目的ですね。

 個人的には、西武・名鉄などが採用している[2]のタイプが親切でいいのではないかと思います。利用する立場からすれば、路線の別よりも「その電車がどこに行くか」ということが大切ですもんね。

(3)路線のイメージとしてのラインカラー
 これが3つ目のかたち。路線がどういうところを走るかなどにより、沿線のイメージからその路線のラインカラーを選定する形です。この形を選定する場合、会社の路線は少ない場合が多いですね。

その3.電車の色とラインカラーの関係

 利用者からすれば、できれば電車の色も合わせてくれると迷わずにすみますね。しかし現状ではこれはなかなか難しいようです。

 これを地でいくのがJR東日本(首都圏)。この会社は走る電車からラインカラーを決めたようです。JR西日本(アーバンネットワーク)は一部列車の行き先表示にラインカラーをあしらっています。この地区のラインカラー形態は、上の(1)〜(3)、すべてに該当しますね。利用者側から見れば分かりやすい表示になっているように思います。

 西日本にしてもそうですが、都市部のJRって、ラインカラーについては比較的よく整備されているんだなあ、と今さらながら感心しました。

その4.(私見)わかりやすいラインカラーとは

 いくらラインカラーを設定しても、利用者に認識されなければ何の意味もありませんね。ではどうすればラインカラーとして広く認知されるのでしょうか。

 それは統一して数多く使うこと。これに要約されるような気がします。幸い、どこの鉄道会社さんもこれには頭が下がるほど尽力されておられるようで、利用させてもらうほうも安心です。

 ラインカラーとして一番印象に残るのって、やはり駅の運賃表と駅名標、そして車両にラインカラーを使用している場合ではないでしょうか。どれも必ず見るものですね。少なくともこの3つに統一したラインカラーを使えば、かなりはっきりと色の印象が残るのではないでしょうか。

 さらには運転系統を明確にし、路線に関係なく、大まかな行き先・方面ごとに統一した色を使うことが出来ればいいんでしょうね。しかしこうすると乗り入れ路線が多い場合、結構大変かも・・・。

 と、好きなこと書いてしまいました。

 以上、小ネタ「鉄道会社は、なに色がお好き?」でした。


ラインカラーの例:東海道本線尼崎駅■くだらないあとがき■
 はい、何だかしまいには好きなことを書いていますが、ラインカラー、ここに一応完成を見ました。

 しかしながら、ラインカラー自体、地域性のかなり強いもので、そこに行かないと実際に何に使われているか分からないこともあり、ここでも抜かしているもの、間違っているものもあろうかと思います。そういうものについてはご指摘いただければ幸いです。

 今まで何度となく通っていた路線も、ラインカラーという、いつもと違う視点で眺めることで、新鮮な目で見ることが出来ました。

 また、えくすさんさんには東武鉄道のラインカラー使用状況についてご教示いただきました。また、野洲さんにはJR長野・新潟地区・琴電等多数の情報をいただきました。末筆ながらこの場を借りて御礼申し上げます。有り難うございました。


前のページへ
次のページへ
旅の小ネタへ

TOPへ

無料ホームページ掲示板